苦しみを味わう

インドの聖者バガヴァン教えの一つ、"苦しみを正面から味わうこと"を紹介します。 

 

過去に、あるいは現在、大きな苦しみがあったとして、それを充分に味合わずに心のどこかに押し込めていたとすると、その想いが、その人を苦しめます。 

 

その苦しみから解放されるには、その苦しみを真正面から受け止め、苦しみを味わうことが大切です。すると、苦しみは流れて行き、悲しみは消えます。 

 

もっとも特徴的な苦しみは、自分を責める気持ちです。心のどこかに、自分を責める気持ちがあると、それが自分を苦しめ続けます。自分を責める原因を突き止め、自分が間違っていたとか、自分が残酷だったとか、自分は不注意だったとか、自分の落ち度を認め、それを受け入れます。そして、それが苦しみの原因であれば、徹底して苦しみます。すると、苦しみは消え、自分を愛することができるようになります。 

 

また、他人を恨む想い(わだかまり)があったとして、それを無意識の中に押し隠していますと、それが自分を苦しめます。恨みの気持ちをすべて味わうべきなのです。そうすると苦しみは消えます。 

 

これを因果律の観点から見ますと、苦しみを与えられたのは、自分が過去にそれに相当する悪事を働いたからです。そのカルマのみそぎとして、苦しみを与えられたのに、それを味合わずに無意識の中に押し隠しますと、まだカルマの禊(みそぎ)を行っていないので、いつまでも苦しみが襲ってきます。 

 

苦しみを掘り起こして味わった結果、自分の霊層が驚くほど上がります。人間をお造りになった天は、人間のカルマに相応するみそぎを避ける気持ちをお喜びにならないので、それを捨てたときに、大きな恩寵をくださるのです。







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