宇宙の真理を悟るとは

 「宇宙の真理を悟る」言われても、抽象的過ぎて何のことか分からないとおっしゃる方が多いことでしょう。このことを理解するには、宇宙の多次元性と人間の多次元性を理解する必要があります。


 多次元の人間には多次元の意識が伴っています。私たちの顕在意識は物質界の肉体の脳に根ざしているために、その記憶容量、処理能力は肉体の能力に制約されます。ですから、いかに有能な人でも記憶できる情報量は限られ、考える能力も制約されます。


 一方、私たちの潜在意識は莫大な記憶容量、考える能力をもっています。そのような、桁違いに大きな能力を有する存在の世界の情報は、通常は顕在意識に入ってきません。「知識は意識に構築される」という古代インドの言葉がありますが、この意識というのは、顕在意識の場合もあれば、潜在意識の場合もあります。そして、その間には情報の流通があるものの、あまり流通量は大きくないのです。


 しかし、瞑想などの方法を通じて、顕在意識と潜在意識の交流ができますと、潜在意識が理解していることを判断に使うことができるようになります。勘が働くとか判断力が大きいというのは、顕在意識の知識量や情報量には比例しないことが多いのはご存知でしょう。素晴らしい経営者や聖者は潜在意識の知識や処理能力を活用しているのです。


 さらに、修練を通じて、潜在意識の能力を格段に向上させることができます。そうしますと、顕在意識が間接的に活用できる知識量は事実上無限大になるのです。


 宇宙の真理を悟るという意味も、基本的には上記のような仕組みになります。潜在意識のもっている知識を活用できるので、潜在意識が知っている、膨大な知識の中の真理を知っているのと同じような状態になりえます。また、潜在意識の知識が顕在意識に浸透してきますので、宇宙の知識が大まかに分かるようになります。聖者たちも顕在意識で宇宙の知識の大部分を知っている訳ではありません。しかし、聖者たちは、潜在意識の知識を活用することを含めて考えれば、宇宙の真理を悟っていることになるのです。そのような意味でのミニ聖者になることは、正しい修練を継続すれば誰にでもできるのです。


ワンポイント


 修練によって顕在意識と潜在意識の間で知識が流通するようになると、潜在意識の知識が利用できるようになります。潜在意識には、宇宙の真理に関する膨大な知識が保持されていますので、それを利用できるということは、宇宙の真理を悟ったと同じことになるのです。







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