この世とあの世 

私たちは、皆この世(現界)に生きていますから、改めて、「この世とは何か」を考えることはまずないでしょう。しかし、少し考えてみると、この世とは実に特殊なものです。


 宇宙には、3次元界から15次元界までの次元界があります。この世は、物質の世界である3次元界に立っていますから、3次元界との区別がつきにくいのです。しかし、この世は3次元界とは違います。なぜなら、この世には、目に見えない形ではありますが、肉体だけでなく幽体(4次元界の存在)も5次元霊体も、6次元霊体も7次元の魂も副魂も参加しています。さらに、かすかな形で真なみ魂(ハイアー・セルフ)も参加しています。

 3次元界には、3次元の存在がいます。人の場合には、肉体および肉体の意識がそうです。木の精霊や花の妖精もいます。

 そして、3次元界には、幽体も霊体も魂も参加していません。つまり、現界のように多次元の世界ではなく一つの次元の世界です。


 「この世」の対照として、「あの世(幽界)」があります。この世と比較してあの世が違うのは、肉体、副魂、真なみ魂(ハイアー・セルフ)がないことです。

 ですから、あの世にいる人が現界に出てくると、幽体と霊体(と魂)だけなので、幽霊と呼ばれ、あるいはみ魂と呼ばれます。つまり、過去の生涯や幽界での生活に共通にあるのは、4次元幽体、5次元霊体、6次元霊体、魂のみです。


 にもかかわらず、「人は肉体だけであって、死んだら何もなくなる」と思っている人が少なくないのは、この世の常識がまだまだ発展途上である故のことです。


 このことは、顕在意識(表面の意識の最も表面にある意識)が肉体に強く制約されていることを示しています。表面の意識が肉体の生理に支えられている関係もあるでしょう。


 人には、肉体意識、幽体意識、粗い霊体の意識、精細な霊体意識、魂意識、副魂意識、真なみ魂(ハイアー・セルフ)意識、統合意識、深層意識、表層意識、心、表面の意識というように、多くの部分の意識がありますが、あの世では、肉体意識、副魂意識、真なみ魂(ハイアー・セルフ)意識、表面の意識はありません。

 つまり、幽体意識、粗い霊体の意識、精細な霊体意識、魂意識、統合意識、深層意識、表層意識、心だけになります。”だけ”と言っても、かなりの数です。ここで、心とは、表層意識と表面の意識の中間に位置づけられる意識です。


 あの世では、表面の意識はありませんから、この世における顕在意識のような役割を果たすのは、心です。心が、平均300年から400年にわたるあの世の修行を積みます。


 では、人にとって、本来の住みかはこの世なのでしょうか、あの世なのでしょうか。天国のような社会を造るべき場は、この世なのでしょうか、あの世なのでしょうか。


 答えは明快にこの世です。この世で天国のような社会を作る人となれるように、あの世で修行を積んでこの世に生まれて来るのです。


 ただし、修行が大きく進んで、極楽界の上半分に住むようになった魂は輪廻を解脱して、この世には生まれてきません。ですから、天国のような社会ができた時点では、この世にいる人は、ほとんどすべて、温暖遊化界か極楽界の下半分に住んでいることでしょう。






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