手印

手印(ムドラ)は生命エネルギーの流れを制御するために、手でいろいろな形を作るものです。古代インド、とくにベンガル湾一帯で、5世紀から10世紀を中心に長い期間にわたって流行したタントラの技術の一つです。映画「陰陽師」で、陰陽師が体を様々に動かし(ヤントラ)、手印(ムドラ)をし、呪文(マントラ)を唱える場面がありますが、その手印です。


世の中によく知られているムドラに合掌があります。合掌はとても一般的な手印の一つです。仏教で広く使われたために、ムドラということを意識せずに使われるようになったのだと思われます。


キリスト教では、祈りの時に五本の指を組んで掌を合わせる形をとることが多いのですが、これもよく使われるムドラの一つです。


明心塾では、鎮静法(瞑想)とチャクラ静功でムドラを使います。


以下に一般的なムドラとその働きを紹介します。形そのものは、他でも使われているものが多いと思われますが、名称は分かりやすいように、明心塾で独自につけたものです。


合掌印(がっしょういん): 

左右の五本の指、掌を合わせます。掌の間に生命エネルギ ーが集まります。


白菜印(はくさいいん): 

左右の掌を合わせ、五本の指を組みます。掌の間に生命エネルギーが集まります。


平拳印(へいけんいん): 

片手で拳を作り、親指は人差し指第一関節のすぐ指根部よりに当てます。掌心のところに生命エネルギーが集まります。


重掌印(じゅうしょういん): 

片方の手を、指を閉じて平らにし、その背に他方の手掌を当てます。掌心から生命エネルギーが放射されます。


山形印(やまがたいん): 

左右の五本の指を組み合わせ、左右の手掌間の角度を90度にします。手掌が近づいた部分を生命エネルギーが流れます。


筏印(いかだいん): 

左右の手の、親指先同士と小指先同士を合わせます。残りの三本の指を組み合わせ左右の手掌間の角度を180度にします。親指が合わさった部分から生命エネルギーが強く放射されます。


山笠印(やまがさいん): 

左右の五本の指の指紋部を合わせ、左右の手掌と指を45度の角度にします。合わさった指の先から生命エネルギーが強く放射されます。


かごめ印: 

左右の五本の指の指先を合わせ、人差し指、中指、薬指を曲げて、左右の手で半球形を作ります。生命エネルギーが両掌間に集まり、親指と人差し指でできる輪から親指と小指でできる輪の方向に生命エネルギーが流れます。


三光印(さんこういん):

 左右の親指、人差し指、小指の指紋部を合わせ、中指、薬指を組んで、手掌部角度を90度にします。親指が合わさった方向および人差し指が合わさった方向に生命エネルギーが放射されます。


矛印(ほこいん): 

人差し指の腹を合わせ、残る四本の指を組んで、手掌部の角度を30度にします。人差し指の方向に生命エネルギーが非常に強く放射されます。


拳掌印(けんしょういん): 

片手の拳を他の手掌に当てます。拳と掌の接する面から生命エネルギーが放射されます。







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