「月」―ふくよかさの象徴

 お月さまに憧れていた。

 その姿を眺めているだけで不思議なくらい、身も心も解れるよう、ほっこり癒される。


 夜長に、ふと、窓辺より見上げた月は、静寂の中に煌々と佇んでいた。そのまなざしはどこまでも優しくあたたかくて、思わず目を細め、顔が綻んでしまう。


 いつもありがとうございます。精一杯の愛を込めて。辺り一帯、草木や虫たちも、月に寄り添うように響き合っている。


 まだ幼かったある夜、場の息苦しさから逃げるように外へ飛び出すと、憂いを帯びたまなざしが。親しき人との物別れに、どうにもやるせない心が、そのまなざしに晒された途端に、ポロポロと涙が止めどなく溢れてきた。


 そう。。。辛かったね。でも、だいじょうぶ。今は・・思いっきり泣きなさい。


 頑なな心が少しずつ、解けていった。


 ある晩、床の中にて夢うつつ、瞼の裏に明るく柔らかな光を感じて薄らと目を開ければ。。眩いばかりのまなざしが真っ直ぐに差し込んでくる。この上ない、安らかな心持ちだった。ず~っと。。。こうして見守られていたような安心感で満たされ、ただただ嬉しかった。

「ありがとう・・い・・ます」と呟くやいなや。。深い眠りに吸い込まれていった。


           *       *       * 


 いつもそこに在り、確かな見守りを感じていた。身も心も全身全霊、すっかり安堵する存在。月は、神秘的であったり、美しかったりする。けれども、だから「好き」という感覚ではなかった。

 もっと、ずーっと、心地よく。。。まるで、赤子になったよう。


 恐らく。。人や生き物、風景等々、好きなものは?と問われたなら、山の数ほど挙げられるかもしれない。それでも、月に限っては“別格”だった。

 一般的に、外への「好意」とは全く異なるニュアンスで己の内に在り、心の奥底で繋がっているような。


 ある時、そのことが明るみに示された。縁あって、明心塾への導きを受けることとなり、(実は、このご縁は数年来のことではなく、数千年の時を経て、計らわれ、育まれてきたのだった)真実は明かされ、親密な関わりが露わになる。


          *       *       *


 2010年初秋、4世前よりの深いご縁を戴く方が昇華し、めでたく“神様”となられ、5次元神界にて“御礼之大御神様”のみ名を名乗られ、塾への謝礼の想いを伝えてこられた。


 人魂の行く末にある、真の幸せの姿を垣間見せて戴き、涙ながらに嬉しかった。


 それからというもの、まるで手に取るように、そして、目覚ましいくらいの勢いでご経綸の進展は計らわれた。

 数々の出来事とその体験を通じて、「魂」という確実な存在や魂の源に対する想いは磨かれてゆき、すべての魂の源である「天」への“信”はますます深められていった。


 天への“信”は、数々の奇蹟を齎〔もたら〕した。


 み意〔こころ〕に触れること(交流)によって、事の次第が明るみに示されてゆくにつれ、天上より発する愛の源であり、純粋な愛ゆえの“ふくよかな”ある“魂”のご存在が明かされた瞬間に“これぞ、求めていた真の愛だ!”と心が震えた。

 同時に、身内に宿るこの魂は、この上なき、至福に包まれているのを感じていた。


“もしや、この御方様がずっと見守ってくださっていたのでは”と想う。


 心の底から湧き起こるような歓喜に確信を得、さらには、「このような“ふくよか”に在りたかったのだ」との自覚に至った。

 ずいぶん長いこと前から在った、その、純粋な愛そのものへの憧れを、改めて認識することとなって、明らかにこの身内にぼんやりと在ったものが、よりくっきり形を成し、まるで手応えを感じるように変化していた。


“わが娘”との想い。その“み意”を受け、言葉にならずただただ感無量にて、「もう何もいらない」と想えたほど、何ものにも代え難たい、最高の幸せを得ていた。


 真に、真に、、、ありがとうございます!  (涙、涙、涙、、、)


 ふくよかな、愛の根源たる御方様由来の魂に造り替えて戴いたことを知らされてより、この上なき幸福感が現実のものとなった(実際、幸せな日常を送っている)。


 授かった新たな“み魂”は常に、天上界のご意向である明心塾とともに在って、天のご下命により、「主」を務めさせて戴くこととなり、天のみ意に則し、肉体を授かる人として限りなく純粋な想いを養うための、天上界の御方様方による愛の鍛錬は始まった。


 そうして日々、塾生たちや家庭、ご縁を戴く様々な人々、一人ひとりと向き合い、心を砕いて(そのような意識は薄かったが)、この身内に宿る“愛”を、授かる魂のままに純粋に“ふくよか”にあらんと臨む中、はたと気づかせて戴いた。


 わが(御方様)、授かるみ魂の愛する月。


 月の存在は人であった魂をふくよかにお育てくださってきた御方様の象徴であり、そのふくよかなみ意ゆえに、月もまた同様、ふくよかさに溢れていること。そして、ふくよかな(愛)御方様の存在:み魂の大きさ(球体)が月にほぼ同じということを。


 想えば。。

「このよう(“ふくよかな”御方様)になりたい」と当時の塾主に申し出、「畏れ多いこと」と苦笑されるも、身内に溢れたこの想いは既に、月を通じて示されていたものであった。


 数千年に渡り、月を介して、御方様と繋がっていた。なんと、なんと、ありがたいことだろう!


 全く以って人冥利に尽きます。。。涙


 以来、私(魂)の唯一の生きがいは、天のみ意に同じ「天国社会(人類総幸福化)」を一心に見据え、臨むこと、人魂の進化成長こそが、無二の楽しみとなっている。



 天の母 月に降りて、愛の申し子育み

 わが子 真の天へ妹背契る“主”となりにけり


 愛しています。。。合掌






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